ゴッホは耳を切った、
ベートーベンは耳が聞こえなかった、
本田圭介は小学校の卒業論文にセリアAで活躍すると書いた。
どれでもいいんだけど、
それって物事の本質ではない。
ゴッホの絵が如何に凄いかは、
彼が耳を切ったこととは関係ないし、
ベートーベンの曲がどれだけ素晴らしいかと、
彼が難聴であったかは一切関係ない。
獺祭という名前の日本酒がありますね。
日本酒物語でも、いつの間にか十四代を抜いて一位。
こないだカンブリア宮殿を観、
純米大吟醸をこの価格で出した、
足蹴苦酒屋を回った、
そんなんを踏まえ口コミで、
ってのは、マーケティングの4Pで言えば、
PRICE、PLACE、PROMOTION。
PRODUCTはどうよ、となると、
杜氏を廃しての計画生産、品質の画一化、
ってか、それはPRICEの根拠だろ、と。
っで、獺祭を作る酒蔵のHPを見ました。
とにかく、これこれこうだから、こうやって作ってます。
といろいろ書いてある。
うーん、俺が知りたいのはそこじゃない、
っで、日本酒物語の口コミ読みますね。
そうすっと、2割3分と50のはどっちがどうで、
高いのはどうで安いのはどうだ、
開封してから何日目で、ああだこうだ、
値段の割りに、うんぬんかん、と書いてある。
そんな話いる?
いいですか、私が知りたいのは、
製法でも比較でもCPでもないんですよ。
なんで、ではなく、どう、獺祭が美味しいのか、なんです。
そこで仕方ないので、私は書きます。
今手元にないのが残念であるが。
口当たりがよい、飲みやすい、澄んでいる、
香りは鮮やか、重くなく、しつこくなく、気持ちよく抜ける、
爽快な、大吟醸らしい、吟醸香。
雑味もなく、クリアで、それでいて決して淡白ではなく、
ほどよい酒当たりがあるなか、喉越しは心地よい。
いくらでも飲めてしまう一方で、深みや面白さ、
芳醇さ、濃厚さ、まろみ、とろみ、どっしり感、はない。
と私は感じました。
これが、日本酒を選ぶ上で、意味のあるコメントかどうかは一切知らないけど、
どうやって作ってるかとか、何で人気があるかとか、
社長がどんだけ頑張ったか、
獺祭内で、どっちがどうだ、って話に、
どんだけ意味があるんだろう?
誤解なく、そういうのにフォーカスを当てるのはもちろん構わないんだけど、
本質が疎かになってやしやせんかと。
獺祭、という名の一つの日本酒があります。
十四代よりも、田酒よりも、八海山よりも、
いい日本酒だと、人は言う。
メディアとか、手に入りづらいとか、値段がどうとか、
はとりあえずおいといて、
それをジャッジするのに、外枠が一切関係ない、
とはもちろん言わないけど、
もっと、日本酒そのものに、飲んで味わった自分自身の評価で
ジャッジしてみませんかね?