[9日目]日本酒ペアリング 第2弾「独眼竜に俺はなる!」 企画編

By | 2014年9月13日
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■安西先生・・・肉が食いたいです

所長J「出だしからアレだが、名台詞をなにもこんな使い方しなくても・・・だいたい私は安西先生じゃないぞ・・・」

助手♂「いや、とにかく肉が食いたいです。切実に。この台詞、どうしても肉が食いたいという切迫感を伝えるという意味で、とてもいい台詞だと思いませんか。」

所長J「いや、これじゃ名シーンが台無しだよ。み〇いがただの『焼肉に連れってほしい腹ペコ高校三年生』だよ。そんなに肉が食いたいのであれば、ほれ。」

ローストビーフだ!ところで後ろの泡立つ液体は?

ローストビーフだ!ところで後ろの泡立つ液体は?

助手♂「ローストビーフじゃないですか?ちょっと生だけど」

所長J「(うっさいなぁ・・・失敗したんだよ)」

助手♂「ところで後ろの泡立つ液体は?」

所長J「お前さんにはこれがビール以外の飲み物に見えるのか?」

助手♂「いや、ビールなのは見てわかりますけど・・・赤肉と言えば飲み物は赤ワインかなと思ったので。」

所長J「赤肉と言えば・・・飲み物は赤ワイン・・・と言ったな・・・くくっ・・・

お前がそう思うんならそうなんだろう、お前の中ではな」

助手♂「!?」

所長J「・・・すまんかった、仕事が忙しすぎて、今日は機嫌が悪い(※所長は本職ではただの社畜です)。話を戻すとローストビーフにバッチリあうビールと言うのもあるのだよ。さっき『赤いワインと赤い肉』といったが、ビールにも『レッドビール』と言うジャンルがある。」

ブルゴーニュドフランドル

ブルゴーニュ・ド・フランドル・・・ベルギーのビールだ。ロゼワイン的に使える万能ビールだぞ

所 長J「(写真はちょっと写りが悪いから赤くはないが)このブルゴーニュ・ド・フランドルはベルギーのレッドビールに自然発酵のランビックを混ぜたビール で、華やかさと酸味が程よくまじりあって、肉の旨味を引き立ててくれる。赤ワインか白ワインかと言うとどちらかと言うとロゼワイン的な位置付けになるビー ルだけども、赤肉だけでなくさまざまな料理と合わせることができる万能選手だね。」

助手♂「なるほど、そんなビールがあるんですね・・・・・・ところで所長、一応聞いておきますけど、覚えていますか、この研究所の名前?」

所長J「えっ?ビール de ペアリングラボだっけ?」

助手♂「ちがいます!」

 

■肉料理には赤ワイン?

助手♂「し ばらく(もぐもぐ)間隔があくとすぐに企画の(もぐもぐ)趣旨をわすれてしまうんですね(ぐびぐび)。所長のビール好きは(もぐもぐ)わかりましたけど (ぐびぐび)、このラボは(もぐもぐ)日本酒 de ペアリングラボ(ぐびぐび)なので(もぐもぐ)、もう少し(ぐびぐび)日本酒の話をですね(もぐもぐ)してくださいよ(ぐびぐび)」

所長J「(おまえも結局ビール飲んで肉喰ってるだけやないか・・・)肉とのペアリングなら前回の企画(第1弾「菊姫」編)でもやっただろうに、酢豚で。」

助手♂「た しかに肉と日本酒と言う組み合わせは斬新でしたが、肉と言えばやっぱり『旨味』!じゃないですか?(もぐもぐ)前回のペアリングでは甘さと酸味の『抑制効 果』ははっきりわかりましたが、『肉の旨味と日本酒の旨味の相乗効果』はよくわからなかったですよね?(もぐもぐ)どうでしょう?肉にはどんな日本酒が合 うのか、ラボで研究してみませんか?(ぐびぐび)」

所長J「そういえばそうだったなぁ・・・ぶっちゃけ、こういうのもアレなんだけど、酢豚と菊姫だと『旨みの相乗効果』は私もよくわかんなかったんだよなぁ。」

助手♂「このままじゃみんなローストビーフには(もぐもぐ)赤ワインを合わせてしまいますよ(ぐびぐび)」

所長J「なぬ!それはまずい!(そういいながら、お前が飲んでるその液体の名前を言ってみろ!)」

やっぱり肉には赤ワイン・・・なのかな?

やっぱり肉には赤ワイン・・・なのかな?どうでもいいんだけど少しは私の分の肉を残しておいてもらいたいのだが(所長J)

 

■伊達正宗は肉食系男子?

助手♂「えっとですね・・・これまでずっと『日本酒と言えば刺身』みたいに思っていたので、前回のラボ以来、肉と日本酒のペアリングになんか目覚めてしまいそうなのです。」

所長J「そうか、たしかに日本酒と言うと生魚のイメージがつよいかもしれないなぁ。これは助手♂に限らず、世間一般的にそうなのかもしれない。」

助手♂「肉と日本酒のペアリングは、最近たまーにですが聞くようになりました。」

所 長J「確かにそういうのを前面に押してる店もあるなぁ。でも肉とのペアリングは別に最近になって出てきた話じゃないぞ。日本人は牛肉を食べるようになった のは文明開化以後だけど、それより前はイノシシとか鹿とかを狩ってきて、それをアテにして日本酒を飲んだりしていたんだ。特に有名なのが伊達正宗公だ ね。」

助手♂「伊達正宗?」

所長J「知らない?『鷹野之掟』とか?」

助手♂「なんですか、それ?」

所長J「鷹狩りが好きだった伊達正宗は、鷹狩り5か条の掟を作っているんだ」

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陸奥守鷹野之掟

一 供之者以下、所々百姓以下にたいし、慮外有へからす、

一 朝食之上、酒こさかつきにて三益、但、時に五も、

一 晩二者心次第、但、大酒停止々々、

一 毎日ともに不参者も、むさと不可居事、

一 今度雪風に、おとなけなく、あとに残るもの科代之事、

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助手♂「『朝食之上、酒こさかつきにて三益、但、時に五も』だから、『鷹狩の朝は3杯までは飲んでも良い、でも時には5杯までは飲んでもOK』ということですか?」

所長J「そう。正宗公も『朝は3杯まで・・・』と途中まで書きかけて、『よく考えたら、俺いつも朝5杯飲んでるわー』と思って『但、時に五も』と書き足したんじゃないかな?」

助手♂「お茶目で正直ですね」

所長J「狩りに行く前に5杯飲むってのもすごいけど、もっとすごいのは、狩りから帰ってきた後は『晩二者心次第』、つまり狩った肉をアテに『心行くまで好きなだけ飲めい!』と正宗公は言ってるわけだね(『ただし、大酒はだめ』=『但、大酒停止々々』)。米所仙台の日本酒は、こうした正宗公の狩りと肉食に400年前にはもう付き合わされていたわけさ。」

助手♂「なるほど肉と日本酒のペアリングはそんなに浅いトレンドじゃないんですね。」

所長J「そういうこと。特に正宗公は『俺が狩りで肉を捕ってきたんだから、当然今夜は肉に合う日本酒がでてくるんだろうな?』と言っては酒蔵を困らせていたとかいないとか?」

助手♂「おおっ!所長!私も『伊達正宗ごっこ』がしたいです!『おい、酒を持ていっ!』」

所長J「『ははっ、これに』・・・って何をやらせる?(笑) それ、助手♀にやらせたらただのセクハラだからね。・・・にしても、よしわかった、それじゃ今回の企画では我々も伊達正宗になって肉と日本酒のペアリングを楽しんでみるか?ひと肌脱いじゃうよ!!」

助手♂「・・・いや脱がなくていいです、所長が脱いだところは見たくないので」

所長J「ちょっ!!!ここまで盛り上げといて、なんでそこだけ冷静なん?」

助手♂「いいからいいから、とっとと肉に合わせる日本酒を選んでくださいな。」

 

第2弾「独眼竜に俺はなる!」 理論編①に続く

 

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