2017、嵐山ら辺散策 no.10 小倉山二尊院、その名の通り、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」?

By | 2019年11月16日
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少し歩き、小倉山二尊院、

>紅葉の馬場
春夏秋冬の彩りが広がる参道
総門を抜けた先に広がる、真っすぐに伸びた参道は「紅葉の名所」として親しまれています。
約百メートルの間にモミジとサクラの木が交互に植えられており、秋は赤や黄の色鮮やかな紅葉のトンネルを魅せてくれます。
小倉山を背景に、春は華やかな桜色に染まり、夏は色濃く重なる緑に覆われ、冬は霜に輝く木々が連なり、四季それぞれの風景を楽しめます。
帰り道、石段の上から眺める参道も見物です。

>百人一首にも詠われた小倉山のふもとに広がる二尊院。
紅葉の名所と名高く、千二百年の時を超えて美しい景観に包まれてきました。

>二尊院はその名の通り、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を祀る寺院であり、正式には「小倉山二尊教院華臺寺」といいます。
開創したのは承和年間(八三四〜八四七)のこと。嵯峨天皇の勅願により慈覚大師が建立しました。…

>本堂
平成の大改修で、美しさ再び
二尊を安置してある本堂。六間取り方丈形式の間口の広い建物は京都市指定文化財。
室町時代の応仁の乱(一四六七〜七七)の兵火で諸堂が全焼しますが、永正十八年(一五二一)に三条西実隆が諸国に寄付を求めて再建。
本堂に掲げられている後奈良天皇の自筆による「二尊院」は、この再建時に与えられたものです。
平成二十八年(二〇一六)には、約三百五十年振りとなる平成の大改修が完了。由緒ある寺院にふさわしい壮麗さを取り戻しています。

>弁天堂
弁財天の化身である九頭龍大神・宇賀神を祀るお堂。
弁財天を祀る由来は、当院の『二尊院縁起』に見られます。
第三世湛空上人の時代に、四あし門(現在の勅使門)に当院寺名の額があり、その額を夜々に門前の池(竜女池)より靈蛇が出て、字形や彩色が消えるほどに舐めてしまい、これを防ぐため、湛空上人は靈蛇に自らの戒法を授けるため血脈を書いて池に沈めました。
すると竜女成仏の証拠として千葉の蓮華一本が咲いたといいます。弁財天の他に大日如来、不動明王、毘沙門天等を安置しております。

>勅使門
天皇の使いだけが通れた門
本堂へと続く門は、天皇の意志を伝えるために派遣される使いの「勅使」が出入りする際に使われていた勅使門。
弓を横にしたような形で中央が高い「唐破風形」の屋根をしています。かつては、勅使が訪れた時のみ開門していたため、格式高い特別な門です。
今日では参拝した誰もが通ることができますが、歴史的背景を知ると通るたびに厳かな気持ちにさせられます。

>二尊院の歴史は、嵯峨天皇の勅願により第三代天台座主(円仁)が承和年間(八三四〜八四八)に建立したことにはじまります。
鎌倉時代の初期には、法然上人(一一三三〜一二一二)が二尊院に住んで法を説かれ、関白九条兼実公(一一四九〜一二〇七)を筆頭に多くの信望を集めて栄華を迎えました。
第三世の湛空上人は、土御門天皇(在位一一九八〜一二一〇)と後嵯峨天皇(在位一二四二〜四六)の戒師(仏門に入るときに戒を授ける師僧)となり、また第四世の叡空上人も後深草天皇(在位一二四六〜五九)、亀山天皇(在位一二五九〜七四)、後宇多天皇(在位一二七四〜八九)、伏見天皇(在位一二八七〜九八)の四帝の戒師となり、二尊院はますます栄えました。
応仁の乱(一四六七〜七七)の兵火で諸堂は全て焼けましたが、永和十八年(一五二一)に第十六世恵教上人(後奈良天皇の戒師)のときに、三条西実隆公が諸国に寄付を求めて本堂・唐門を再建しました。

>南北朝の頃より明治維新まで、「黒戸四ヶ院」の一寺として京都御所御内仏殿をお守りしていた関係上、旧宮家である鷹司家・二条家・三条家・四条家・三条西家・嵯峨家、そして江戸時代初期の豪商である角倉了以の一族、江戸時代の儒教学者である伊藤仁斎の一族などの墓所があります。
古来より天台宗・真言宗・律宗・浄土宗の四宗兼学の道場として栄えましたが、江戸時代後期より天台宗に属しており、「嵯峨三名跡」の一ヵ寺に数えられます。
奈良の仏師によってつくられた本尊二尊は重要文化財に指定されており、現存する本堂、総門、八社宮、湛空上人廟は京都市指定文化財になっています。平成二十八年(二〇一六)には、平成の大改修として本堂が再建され、新たな歴史を刻んでいます。

>しあわせの鐘(鐘楼)
三回ついて、しあわせを願って
梵鐘(釣り鐘)をつるす堂「鐘楼」は、慶長年間(一五九六〜一六一五)に建立。
梵鐘は慶長九年(一六〇四)に鋳造し、平成四年(一九九二)に、開基嵯峨天皇千二百年御遠忌法要記念として再鋳。
「しあわせの鐘」と名付け、「自分が生かされているしあわせを祈願」「自分のまわりの生きとし生けるものに感謝」「世界人類のしあわせのために」と、鐘を三つ撞いてそれぞれに祈願していただいています。

引用終わり、拝観料500円、見応え充分。

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