[11日目]日本酒ペアリング 第2弾「独眼竜に俺はなる!」 理論編②

By | 2014年9月27日
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[9日目]日本酒ペアリング 第2弾「独眼竜に俺はなる!」 企画編はこちらから

[10日目]日本酒ペアリング 第2弾「独眼竜に俺はなる!」 理論編①はこちらから

 

■独眼竜の肉料理!?

所長J「やはり独眼竜になるには独眼竜が食した肉を食べるのが良いかと思ったのだが・・・」

助手♂「そうですね、独眼竜の肉料理ってなんでしょう?鷹狩の戦利品ですかね?」

所長J「その鷹狩なんだが、鷹狩で最高のごちそうとされているのは、まず雉で、次いで鶴、雁がランクインするらしい。」

鷹狩最高のごちそう 1位:雉、2位:鶴、3位:雁

鷹狩最高のごちそう 1位:雉、2位:鶴、3位:雁

助手♂「雉・・・鶴・・・雁!?・・・調理法は???『雉どんぶり』とかはたまに見ますが。それ以前にこれらの肉はどこで売ってるんでしょうね?」

所長J「さ、さぁ・・・?雁といったらだいぞうじいさんにでも頼むしかないんじゃない?(適当)」

助手♂「だいぞうじいさん、残雪・・・テラナツカシス。」

所長J「だいぞうじいさんに頼むにしても雁猟自体、現在では禁止されてるけどな。雉にしてもそんな顔でこっち見られたら、『喰ってやる』って気分じゃなくなるよな。鶴もなんだかバチがあたりそうだし。」

助手♂「鳥以外だと、鷹狩ではどんな動物が狩る対象になるんですか?」

所長J「鳥以外だと、兎とか鹿だな。まぁこの辺なら昔ハナマサで売ってるのをみたことあるな。」

助手♂「兎・・・ああっ!売ってたわ!・・・思い出してしまった!!!あのコロンとした感触!!!」

所長J「(なにか良くないものを思い出させてしまったらしい・・・)」

助手♂「・・・・・・・・・よし、忘れよう。それにしても鷹狩では鹿みたいな大きな動物も狩れるんですね?」

所長J「鷹が鹿を狩るシーンはニコ動ででも見てくれ。鷹がこんなにダイナミックに鹿を狩るとは・・・正宗公や徳川家康が鷹狩にハマるのもわからなくはないな。」

 

■1回戦:肉の旨味を閉じ込めた煮込みハンバーグ

所長J「雉/鶴/雁に比べて鹿とか兎の入手難易度が低いとは言ったって、近所のスーパーに並んでるわけではないよね。」

助手♂「まぁ見かけないですね。」

所長J「じゃ、食材としてはダメだ。この企画、家で容易に再現できないような酒と料理のペアリングはあまり考えたくないんだよね。」

助手♂「再現?」

所長J「そう。やっぱり記事を見た奥様方が、家でホームパーティーをやってキャハハ、ウフフしながら、日本酒でどすこいするような感じじゃないと。」

助手♂「(・・・日本酒でどすこい???)」

所長J「要するに『スタイリッシュでコケティッシュながらパンチの効いたホームパーティー』を簡単に出来るようなペアリングを考えるところに、研究所としては価値があると思う訳よ。」

助手♂「ニッチ過ぎて何を言っているのかさっぱりわかりません(酔ってるのかこいつは?)。・・・で、そのスタイリッシュでコケティッシュでパンチの効いたホームパーティーとやらにはどんな料理を用意したら良いって言うんです?」

所長J「前回のペアリングラボ菊姫編ではペアリングする料理を3品考えたのだが、今回も3品ぐらいを組み合わせてみようと思う。まずは煮込みハンバーグだ。」

助手♂「・・・・・・ちょっと待ってください・・・・・・なんですかそれは?いたって普通じゃないですか?」

所長J「いやいやいや、まてまてまて。日本酒に合わせる料理で『煮込みハンバーグ』とか言ったらもうちょっと驚いてもいいんじゃないか?だって煮込みハンバーグだよ、普通日本酒と一緒に食わないだろう?」

助手♂「うーん、いやそうなんですが、どうも『捻り』がいまいち足りてないような・・・・・・雉の爪の垢でも煎じて飲んでみたらどうですか?」

所長J「・・・むむっ、どうやら今日は料理紹介前の前フリのインパクトが大きすぎたようだ。」

助手♂「そりゃそうでしょう。本題に入る前に、一体何文字使っていると思っているんです?」

焼くより煮込んだ方が旨味が増すんじゃない(適当)

焼くより煮込んだ方が旨味が増すんじゃない(適当)

所長J「・・・・・・仮説の説明していい?」

助手♂「どうぞ。」

所長J「もう少し興味を持とうか?」

助手♂「真顔で迫らないでください。」

所長J「・・・さて、気を取り直して。チャートは前回と同じつくりになっている。今回の煮込みハンバーグと勝山・秋鹿のペアリングでは『相乗効果』『対比効果』『抑制効果』がそれぞれ期待できるけど、注目したいのは赤い線。勝山から煮込みハンバーグに延びている『相乗効果』と秋鹿から伸びている『対比効果』ということになる。」

助手♂「これが今回のテーマで一番重要な線ですね。他にもいろいろ伸びてますね。」

所長J「他の矢印だと、大事そうなのは、ウスターソースの『塩味』から伸びている勝山の『甘味』への『対比効果』かな。勝山の『甘味』がかなり強いのだが、ウスターソースの『塩味』ででさらに甘さを際立たせるのか、あるいは『甘味』×『甘味』で『相乗効果』を狙った方が良いかは次の料理で検証してみようと思う。」

 

■2回戦:甘く煮込んだ骨付きスペアリブ

所長Jの得意料理でもあるのです

所長Jの得意料理でもあるのです

助手♂「スペアリブですか・・・まぁ確かにスペアリブと日本酒を掛け合わせようと思ったことはこれまで一度もないですね。」

所長J「(おっ、少しは興味を持った?)ふむ。勝山と料理の旨味の『相乗効果』、それから秋鹿と料理の旨味の『対比効果』を狙うというのは、煮込みハンバーグと同じ。スペアリブで違うのは、料理がしょっぱいか甘いか?・・・だね。」

助手♂「レシピは・・・結構和風な味付けですか?」

所長J「蜂蜜と砂糖をかなり使うし、少しマーマレードも足す予定。よってかなり甘い肉料理になると思う。勝山はもともとかなり甘い酒なので、そのスペアリブ相手だとさらに『甘味』に『甘味』を重ねることになる(『相乗効果』)。また対秋鹿と言う意味では、スペアリブの甘さが秋鹿の渋味や苦味を『抑制』する効果が発揮される・・・かもしれない。」

助手♂「なるほど。」

所長J「そのどちらがペアリングとして心地よいか・・・ってところをスペアリブでは検証したいと思う。あと書くの忘れたけど醤油にも『旨味』成分があるね。醤油の旨味の『相乗効果』『対比効果』も頭の片隅には置いておきたい。」

 

■3回戦:肉以外の旨味とのペアリング-ラタトゥイユ

肉以外の旨味との組み合わせはどうか?

肉以外の旨味との組み合わせはどうか?

助手♂「最後は・・・ラタトゥイユですか・・・。まぁこれまたあまり日本酒と合わせたことはないですね。」

所長J「ラタトュイユのテーマは『旨味だったら何でもよいのか』だね。基本的には肉の旨味と日本酒の組み合わせが今回の基軸なのだけど、野菜にも旨味はあるだろう?」

助手♂「旨味成分にはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などいろんなものがありますが・・・」

所長J「改めて整理すると、肉類はイノシン酸だねぇ。豚>牛>鳥の順で、旨味成分は強いと言われているね。野菜だとシイタケとかはグアニル酸、トマトや玉ねぎはグルタミン酸になる。日本酒の旨味成分は、グルタミン酸と言われているけれども、そうだとしたら・・・」

助手♂「ハンバーグとスペアリブは『イノシン酸(料理)×グルタミン酸(酒)』。ラタトュイユは『グルタミン酸(料理)×グルタミン酸(酒)』ということになりますね。」

所長J「旨味は異なる旨味同士を掛け合わせた方が良いと言われているけれども、そうだとするとラタトュイユと勝山の組み合わせは、ちょっと単調な味になってしまう可能性はあるね。あくまで可能性だが。」

助手♂「なるほど。その辺がラタトュイユでの検証ポイントですね。」

 

所長J「あとはシェフなおみが、ラタトュイユの野菜として何を入れてくるか次第だね。まぁたぶん掲載されているレシピ通りには、そのまま作らないだろうから。」

助手♂「では、さっそく料理をお願いしましょう。」

所長J「そうだな、では電話をしてだな・・・・・・・・・・・・・・・ってあれ?」

助手♂「どうしたんです?」

所長J「・・・・・・・・・電話が繋がらないぞ!?」  → その頃シェフなおみは・・・

 

[12日目]日本酒ペアリング 第2弾「独眼竜に俺はなる!」 調理編につづく

 

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